イソフラボン倶楽部

男性の気になる症状「前立腺肥大症」

男性にも更年期があります。 特に気をつけたいのが前立腺肥大症です。

前立腺ってなに?

前立腺とは膀胱の出口を取り巻くように位置するクルミ大の器官で、男性だけにある生殖器のひとつです。 その働きは、精子の働きを活発にする前立腺液を分泌することで、その発達や働きは、男性ホルモンの活性型である「ジヒドロテストステロン」に大きく影響を受けています。 前立腺の図と働き

前立腺肥大症とは

膀胱の出口を取り囲んでいる前立腺は、中高年を過ぎる頃から次第に大きくなり、その大きさは成人時の2倍にもなります。 極端なケースでは、健康な20歳代の人の前立腺の10~20倍もの大きさになります。肥大化した前立腺は、 やがて尿道を圧迫するようになります。 そのため、トイレの際「尿が出にくい」「残尿感がある」「頻繁に尿意をもよおす」などの排尿障害に悩まされるようになります。これが前立腺肥大症です。 前立腺肥大症は、組織学的に60歳の男性では50%以上に、85歳までに約90%に認められ、その1/4に臨床症状が出現するといわれています。(1) 日本の60歳以上の男性人口は約1,800万人ですので、約370万人が患者ということになります。(2)(3) 平成20年の厚生労働省の患者調査の44万2千人という患者数を考えると、まだ約9割近い方が症状を我慢している可能性もあります。 前立腺肥大の状態 前立腺肥大でみられる排尿障害

前立腺はなぜ肥大する?

前立腺肥大症の原因はまだ十分に解明されていませんが、次のような、発症メカニズムが働くのではないかと考えられています。

前立腺肥大症発生のメカニズム

男性ホルモンの一つに、「テストステロン」と呼ばれるホルモンがありますね。 そしてもう一つ、大切なホルモンとして、テストステロンが酵素によって活性化された活性型男性ホルモン、 「ジヒドロテストステロン」というホルモンがあります。 実は、男性の生殖器官の発達を促し、その機能を正しく維持するためには、テストステロンだけでなく、 この活性型の「ジヒドロテストステロン」が不可欠です。 問題なのは、肥大を始めた前立腺にはこの活性型男性ホルモンは刺激が強すぎるため、前立腺を一層肥大、 硬化させてしまうということ。 それまで、男性にとって必要不可欠であった活性型男性ホルモンは、一転“悪玉男性ホルモン”になってしまうというわけです。 前立腺肥大発症のメカニズム

イソフラボンと前立腺肥大症

この前立腺肥大症の予防にも、アグリコン型イソフラボン及びイソフラボンの代謝物(エクオール)の効果が期待されています。その効果は、「悪玉男性ホルモンに変わる酵素をブロックする」「悪玉に変わってしまった男性ホルモンを受容体に結合させない」さらに「ホルモンの受容体そのものの発現を弱める」というトリプルの働きを持っています。 ※アグリコン型イソフラボンは、糖が分解されており分子量が小さいため、別名「高吸収型」のイソフラボンと言われています。(詳しくはコチラをご覧ください。)

前立腺疾患予防のメカニズム“トリプルブロック!”

アグリコン型イソフラボンが、男性ホルモンを悪玉に変える酵素「5α-リダクターゼ」をブロック。 暴走する悪玉男性ホルモンを抑制します。 ②次にアグリコン型イソフラボンの代謝物(エクオール)は、悪玉男性ホルモンがホルモンの受容体に結合するのをブロック。悪玉男性ホルモンが働かないようにします。 ③さらに、アグリコン型イソフラボンは、ホルモンの受け皿である受容体(レセプター)そのものの発現を弱めて、悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の作用を弱めます。 イソフラボンによる前立腺肥大予防のメカニズム

 

がんになりやすいの?

前立腺肥大症と前立腺がんは全く異なる病気で、前立腺肥大症が前立腺がんに変化するわけではありません。 ただし、前立腺肥大症になりやすい年代はがんが発生しやすい年代でもあります。 初期の前立腺がんはほとんどが無症状で、自分では感じにくいです。そのため、、頻尿、尿が出にくい、残尿感がある尿失禁などの排尿トラブルがある場合は、「年(老化)のせいだろう」という油断は禁物です。 中高年になったらぜひ定期的な健診・検査をおすすめします。また、少しでも体に異常を感じたら悪化する前に、泌尿器科やお近くの病院で早めに受診し、医師の診断を仰ぎ、適切な治療をしましょう。

男性にもある「更年期障害」。あなたは大丈夫?

男性らしさを支えているホルモンの代表が「テストステロン」という男性ホルモンですが、年齢とともに減少していきます。その結果、精神的にも身体的にもさまざまな不調が現れやすくなるのが男性の更年期で、医学的には「LOH(ロー)症候群」と呼ばれています。

主な症状としては、
・集中力・記憶力の低下
・気分がすぐれず、元気・やる気が出ない
・イライラしやすい、うつっぽく憂うつになることもある
・睡眠時間はあるのに眠れない日が多い、朝気持ち良く起きられない
などがあります。そのほか、動悸や息切れ、のぼせ、汗が出る(異常な発汗)、性欲の減退、ED(勃起不全)、疲労感の増加、めまいや頭痛など個人差はありますが、さまざまな悩みが現れます。

加えてこの年代は、仕事の上でも責任が増しストレスを感じることも多くなります。強いストレスは症状を悪化させる要因にもなりますの注意が必要です。男性更年期は、女性の更年期と比べるとあまり知られていないので、「年や衰えのせい」と我慢しがち。悩みが深刻な場合は病院で適切な診療を受けることはもちろんですが、バランスの良い食事や適度な運動を行うなど、日々の生活を整えていくことも大切です。

参考文献

  • (1)「The development of human benign prostatic hyperplasia with age」 著書:Berry SJ/Coffey DS/Walsh PC/Ewing LL 出典: J Urol/ 132巻, 474-9頁/ 発行年 1984年
  • (2)(3)総務省統計局平成25年9月1日確定データ
  • (2)(3)厚生労働省「主要な傷病の総患者数の調査」平成20年

男性更年期と前立腺

よくある質問

Q男性が利用してもいいですか?
A

15歳以上の男性であればどなたでもご利用いただけます。 ※食品安全委員会のイソフラボンの評価によると、15歳未…

[続きを読む]
Q男性がイソフラボンを利用する場合、胸が大きくなるなど女性化の心配はないのでしょうか?
A

実は、男性にも少量ではありますが、女性ホルモン“エストロゲン”が分泌されています。 (逆に、女性も男性ホルモンを分泌…

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Q血栓症を予防するために、ワルファリンを飲んでいます。イソフラボンを摂取してもいいですか?
A

アグリコン型イソフラボンのワルファリンに対する作用に関する報告(論文)は今のところ確認されておりません。 ただ、アグ…

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