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女性のカラダとの向き合い方

津田沼IVFクリニック 吉川守院長先生に、「女性のカラダとの向き合い方」についてお話を聞きました。

吉川先生

津田沼IVFクリニック 吉川守院長先生

山梨医科大学(現 山梨大学医学部)卒業。

亀田総合病院、船橋二和病院、セントマーガレット病院、千葉徳洲会病院、山王病院など、千葉県内の各医療機関での産婦人科医経験後、平成22年11月2日、津田沼IVFクリニックを開業。

患者様に寄り添った診察・治療で、信頼を置かれている。

 

 

若いうちから自分の身体を知ることの重要性

 

———将来妊娠をのぞむ若い女性たちが、現在自分自身に妊娠する力があるのかどうかの相談や検査をすることは可能なのでしょうか?

 

可能です。とても歓迎しています。

子宮や卵巣の状態や、病気の有無などを調べることにより、「妊娠する力」の強弱を知ったり、病気の早期発見・早期治療に繋がります。

「将来妊娠をのぞむ若い女性たち」にとっては、早期の結婚や出産など、人生設計を考える資料にもなるかも知れません。

 

ただし、「不妊症」や「月経異常」などの病気ではなく、「妊娠する力があるのかどうかの相談や検査」の場合は、一部、保険外診療となることがあります。また、パートナーがある時のみに診断が可能な検査、例えば精液検査や精子頸管粘液適合試験などもあります。

 

 

———加齢と妊娠力にはどのような関係があるのでしょうか。

 

令和2年の妻の平均初婚年齢は、29.4歳とされています。平成7年と比較して、3.1歳上昇しています。

 

女性の妊娠する力は、年齢とともに低下していきます。その理由として、「卵子の老化、質の低下」「卵子数の減少」「子宮内膜症・子宮筋腫などの罹患」「クラミジアなどの感染」などが挙げられます。

 

 

生理と妊娠について:生理は身体からのサイン

 

——–生理のコンディションが不妊と因果関係がないと思っている若い世代に対して、例えば生理不順や生理の量が少ないなど、将来不妊になる可能性はありますでしょうか?

 

「生理不順や生理の量が少ないなど」は、卵巣機能低下や、早発卵巣不全・早発閉経の初発症状であることがあります。

 

将来、不妊になる可能性がありますので、「不妊と因果関係がない」と思わずに、産婦人科を受診しましょう。

 

 

——–生理不順で受診した場合、どのような検査ができるのでしょうか?

 

生理不順や生理の量が少ない原因を調べるとともに、卵巣に残っている卵子数、卵巣予備能の指標となる抗ミュラー管ホルモン(AMH、卵巣年齢)という血液検査を受けることにより、早発卵巣不全を早期に発見することができることがあります。

 

この検査も「将来妊娠をのぞむ若い女性たち」にとりまして、早期の結婚や出産など、人生設計を考える資料にもなるかも知れません。

 

 

妊娠したいと思ってからでは遅い?女性が気をつけたい食生活のこと

 

———若いうちから将来の妊娠のためにどのようなことに気を付けて生活をすればよいでしょうか?

 

「やせたい」と願う女性はとても多いと思いますが、やせすぎや体重減少は、排卵障害、月経不順、不妊、早発閉経などの原因となります。また食事制限により、エネルギーや栄養素などの摂取が十分でないと考えられます。

 

喫煙は、女性の「妊娠する力」を低下させます。低下した力の一部は、禁煙しても回復しないことがあります。

過量の飲酒は、排卵障害、着床障害、不妊などのリスクを増大させます。

 

これらの食生活や嗜好は、「結婚した」「妊娠を希望するようになった」からと言って、すぐに改善できるものではありません。若いうちから将来の妊娠のために気を付けて行きましょう。

 

 

——–最近腸活ブームというところで、子宮内の環境も腸と同じく子宮内フローラが大切ということもちらほら聞こえます。先生はどのようにお考えでいらっしゃいますか?

 

子宮内腔には108種類の細菌が存在します。

乳酸菌の割合が少なかったり、細菌叢の異常が妊娠する力に影響します。病原菌は炎症を起こし、形質細胞という異常細胞の出現や子宮内膜細胞の障害をもたらします(慢性子宮内膜炎)。

 

子宮内フローラは着床率、妊娠率、妊娠継続率、流産率などに影響を与え、子宮内フローラの異常は着床障害の原因となる恐れがあります。

子宮内フローラの異常が認められた場合、その治療により着床障害や流産などへの好影響が期待できます。

 

葉酸は早くから取っておきたい栄養素

 

——–先生のブログで葉酸と神経管閉鎖障害の事を書かれていました。葉酸は女性としてどの時点で摂取を始めたらよいですか?

 

葉酸サプリメントを全く摂取しないと、胎児が神経管閉鎖障害(脳や脊柱に発生する先天性の癒合不全で、無脳症、脳瘤、二分脊椎などがあります)となる確率が2.5倍とされています。

 

神経管の閉鎖は妊娠6週末で完成しますので、妊娠に気づいてからの葉酸服用では遅すぎます。妊娠が成立する1か月以上前からの葉酸サプリメント摂取が、この疾患の予防に有効です。

 

——–葉酸は飲みすぎると害になりますか?

 

葉酸は、流産の防止、胎盤早期剥離の防止などの効果も指摘されていますので、全妊娠期間を通じて摂取してもよいとされています。

 

ただし、運動神経発達遅延など長期服用による有害事象が否定できない報告がありますので、神経管閉鎖障害児の妊娠出産既往がある女性は多くの葉酸を摂取していると思いますが、妊娠12週になりましたら速やかに1日0.4mgに戻しましょう。

 

吉川守院長先生からのメッセージ

 

身体を大切にしてあげてください。

年に一回くらいは、産婦人科で妊娠する力のチェックを受けてください。

 

 

本日は詳しいお話をいただきありがとうございました!!