「エクオール」って聞いたことがありますか?
イソフラボンと同様に女性ホルモン様作用があるということで、今とても注目されていますね。 “スーパーイソフラボン”などと言われていることもあるようですが、実際は、「イソフラボン」ではなく、イソフラボンの「代謝物」なんです。
イソフラボンの中でも「ダイゼイン」イソフラボンが、腸内細菌の力を借りてできるのが「エクオール」なんですね。
ここで、ちょっとイソフラボンの復習!
イソフラボンは、吸収されやすい「アグリコン型」と吸収されにくい「グリコシド型」があり、「アグリコン型」はさらに3つの種類があります。 それが「ダイゼイン」「ゲニステイン」「グリシテイン」です。 さらに、この3種類のイソフラボンは、大豆のどの部分から抽出されたかによって、その含まれる量が異なるんです。
下の図のように、大豆胚芽から抽出したニチモウさんのイソフラボン「AglyMax(アグリマックス)」には、「ダイゼイン」が約70%と豊富。 一方、丸大豆由来のイソフラボンは、「ゲニステイン」がメインで含まれているんですよ。
つまり、大豆胚芽から抽出されたニチモウさんのイソフラボン「AglyMax(アグリマックス)」には、「ダイゼイン」イソフラボンが多く含まれているので、エクオールに代謝される可能性が高いということになります。
では、誰でもエクオールを作ることができるのでしょうか?
残念ながら、答えは「NO」。エクオールを作ることができる人は、日本人の2人に1人、約50%と言われています。欧米人ではもっと低く、25~30%しか産生できる人がいないそうです。(1) というのも、エクオールを作れるかどうかは、大豆の摂取量と腸内環境にとても影響を受けているからなんです。
上記のグラフのように、欧米人と日本人では、エクオールを作れる人の割合が約2倍の差があります。 この違いはどこから生じているのでしょうか?
イソフラボン研究で有名なDr.セッチェル(Kenneth D.R. Setchell シンシナティ小児病院医療センター)は、1つの可能性として、「アグリコン型イソフラボン」の摂取量の違いが関係しているのではないかと言っています。 日本人は欧米人に比べると、味噌や醤油など発酵された大豆食品を食べる機会が多いですよね。
味噌や醤油のような麹菌で発酵した大豆食品は、豆腐や納豆などの大豆食品より、アグリコン型イソフラボンを多く含みます。前述のように、エクオールは、アグリコン型イソフラボン(ダイゼイン)から作られるため、 アグリコン型イソフラボンをより多く消費している日本人やアジア人が、結果的にエクオール産生者の割合が 高いのではないか、というわけです。
イソフラボンの効果を得るためにもエクオール産生のためにも、やっぱりアグリコン型イソフラボンがポイントのようですね!
日本人の平均は、約5割の人がエクオールを産生することができますが、年代別にみるとどうでしょう?実は、40代以下の若い世代では、欧米人並みの20~30%しかエクオールを作ることができないと言われています。
その理由として考えられるのが、食生活の欧米化。 若い世代ほど、大豆・加工品および味噌の摂取量が減っていることに加え、腸内細菌の善玉菌を応援してくれる食物繊維の摂取量が少なくなっています。
一方で増えているのが、肉類の摂取量。若い世代は特に注意が必要というわけです。
エクオールを作れるかどうかは腸内細菌の活動によるものなので、腸内環境が大きく影響します。 そして、エクオールは大豆食品を食べていないと作られません。
エクオールを作れている人も、大豆食品を数日食べない日が続けば、エクオールを産生してくれる腸内細菌が活発に働かなくなり、エクオールを作る力が弱まる場合があります。 逆に、今作れていない人も、大豆食品を積極的に食べて、腸内環境をサポートする食物繊維や発酵食品を毎日の食事に取り入れることで、作れるようになっていくようです。
イソフラボンそのものにも、もちろんたくさんの健康効果がありますが、エクオールを産生できれば、一石二鳥。ダブルで健康効果を得ることができるのはうれしいですね。
※ご自身が、エクオール産生者かどうかの確認は尿検査でチェックができます。簡単に調べられるキッドなどが販売されています。
エクオールが作れていない人は食生活を見直すきっかけにして、あきらめちゃだめだね!
参考文献
イソフラボンの基本のキ
イソフラボンの安全性と上限摂取量について
イソフラボンの効果
よくある質問
豆腐や納豆、豆乳などの大豆食品はさまざまな栄養素を含み、とくに女性には積極的に摂ってほしい食品です。 ただ、これら…
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ご飯にお漬物、それにおみそ汁。腸内環境のためには、やっぱり和食がいいのね。