更年期に入ると骨密度が低下しやすくなります。進行すると骨がスカスカになってもろくなり、骨折しやすくなります。更年期以降の骨折は、運動機能の低下や寝たきりなどを招くことがあり、人生後半のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を大きく左右します。骨量が減少しても痛みなどの症状は起きないため、気づいたら進行していることも多く、早めの対策が熟年ライフの充実につながります。 以前は届いていた棚に手が届かなくなったらご注意を。骨量が減ると背骨が縮まり、身長が低くなることがあるからです。
骨は常に作り替えられていて、古い骨が壊されて新しい骨と入れ替わっています。骨が壊されることを「骨吸収」、骨が作られることを「骨形成」といい、骨吸収の量が骨形成の量を上回ると、骨の密度は下がっていきます。この状態が長く続くと骨はスカスカになり、骨折を起こしやすくなります。 こういった骨の代謝に大きく関わっているのが、エストロゲンです。 エストロゲンには骨の吸収を防ぎ、形成を助ける働きがあり、骨量を維持する役割を果たしています。 エストロゲンが急激に減少する更年期以降は、骨粗鬆症の予防を心がけることが大切です。 一般的に、骨粗鬆症は閉経後10年ほどで発症することが多く、日本人女性では50代に比べて60代で約4倍に増えるといわれています。
骨量検査には3種類ありますが、更年期以降の女性にはより正確な「デキサ法」や「pQT法」をお勧めします。
・超音波法 かかとの骨に超音波を当てて測定。広く用いられていますが誤差が生じるといわれています。
・デキサ法 2種類のX線を骨に当てて測定。手首を測定する方法が普及していますが、背骨を測定する方がより正確です。
・pQCT法 小型のX線CT装置を用いて腕や手首の骨を撮影し、コンピュータで測定する検査法です。
医療法人ソフィアレディスクリニック(神奈川県相模原市・佐藤芳昭院長)で、ホルモン補充療法からダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボン「AglyMax(アグリマックス)」に切り替えた患者さんのケースをご紹介します。
55歳から59歳まで4年間ホルモン補充療法(HRT)を行っていた女性のケース。 59歳のはじめにダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボン「AglyMax(アグリマックス)」(40mg/日)に切り替えたのち、1年間の経過を見たのが下のグラフです。骨密度は減ることなくむしろ若干増えています。またその値は、同世代の女性と比べて115%の骨密度を維持していました。
通常は、年平均で2%くらいの骨量減少がみられる年代だけど、この方の場合は、1年間で9%も骨量が増加したことになるんだね!
参考文献
更年期以降
更年期
よくある質問
私たち日本人は、大豆イソフラボンを含むさまざまな大豆由来食品(豆腐、納豆、味噌等)を日常的に摂取してきた長い食経験を…
[続きを読む]もちろん大丈夫です。 女性の場合、更年期以降に特に注意したいのが骨粗鬆症です。 閉経後には骨密度が年2~3%も減…
[続きを読む]豆腐や納豆、豆乳などの大豆食品はさまざまな栄養素を含み、とくに女性には積極的に摂ってほしい食品です。 ただ、これら…
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棚に手が届かなくなったら要注意! 人生後半の生活の質を左右する骨粗鬆症