めまいには目が回るように感じる「回転性のめまい」と、体がふわふわ浮いているように感じる「浮動性のめまい」の2種類がありますが、更年期女性に多いのは「回転性のめまい」です。(1) 突然、体が浮いて揺れているように感じ、場合によっては頭痛や吐き気を伴ったり、立っていられないほど辛い症状が現れる傾向があります。
また、めまいとともに耳鳴りを感じる人も多いのが特徴で、静かなときに耳の中で「キーン」「ジーン」などの高い音が聞こえているように感じられます。
閉経前後の更年期にさしかかり女性ホルモンの一つであるエストロゲンが急激に減少すると、エストロゲンを分泌するように指令を出す脳の部位・視床下部が異常を察知してパニックを起こし、そのため視床下部が同時にコントロールしている自律神経までが乱れてしまいます。そのため、更年期になるとホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)、冷え、肩こり、疲れ、イライラなどさまざまな不調があらわれてきます。めまいや耳鳴りにおいても、この自律神経の乱れが原因の1つとなり引き起こされることがあります。
そのほか、身体的疲労や睡眠不足などそのときの体調や精神的ストレスなど、さまざまな理由によって引き起こされることもあります。更年期以降は、エストロゲンによる血管保護作用が減少するため、脳の動脈硬化が進み、血流の流れが悪くなることも一因になるようです。
めまいに悩む方の中には、耳鳴りを訴える方が少なくありません。これは、平衡感覚を司る三半規管と聴覚器官が非常に近い場所にあるためで、互いに影響を及ぼしやすいからです。
また、更年期を迎え、エストロゲンが減少してくると、血圧や内耳の血管に影響を及ぼすため、耳鳴りのリスクが増加すると考えられています。 さらに、更年期の時期に起こりやすい睡眠障害や抑うつ、不安や気分の落ち込みなどの心理的な症状が耳鳴りを悪化させる要因になるとも言われています。耳鳴りは「その内おさまるだろう」と放置することなく、状態が悪くなる前に医療機関を早めに受診し、検査を受けることが大切です。
※更年期のこの時期には、さまざまな感覚器官の衰えから聴覚にも変化が起こることがあります。耳鳴りとは症状は異なりますが、これまで気にならなかった音に敏感になってしまったり、心地よく感じていた音楽が妙に気に障ってしまうこともあるようです。更年期にはこういうこともあるんだな、と知っておくことで症状が起こったときに冷静に対処できることもあります。もちろん、耳鼻科的に問題がある場合は適切な治療を受けることが大切です。
頭竅陰(あたまきょういん)
耳の後ろの骨のふくらみにあるくぼみ
耳門(じもん)
口を開けたときにへこむところから指1本分下
所沢耳鼻咽喉科とニチモウが共同で行った臨床試験で、ダイゼインリッチなアグリコン型イソフラボンが 突発性難聴によるめまい、耳鳴り、難聴を軽減することが明らかになった。
アグリコン型大豆イソフラボンのサプリメントを、突発性難聴の悩みを抱える27人の慢性患者(聴力の回復がなくステロイド点滴を行っている)に3ヶ月間摂取してもらい、1ヶ月ごとに状態をチェックした。 試験を最後まで終了したのは、26人(男性7人、女性19人)で、平均年齢は54.9歳だった。
【聴力】 26人中7人が5デシベル以上の回復。2デシベル以上回復したのが6人で、トータルで半数の人に聴力の改善がみられた。 【耳鳴り】 耳鳴りがあったのは26人中19人。すべて女性。なんらかの回復が見られたのが84%の16人。 完治したのは8人で約40%にもなった。 【めまい】 症状があったのは26人中13人で、すべて女性。試験後、全員になんらかの効果があり、完全に治癒したのは10人。80%近い完治率だった。 ※効果についてのメカニズムは、まだ明らかになっていませんが、アグリコン型イソフラボンの血流改善作用によるものではないかと推測されています。 ※また本試験は、更年期によるめまい・耳鳴り改善データではありません。あくまでも、突発性難聴に対するイソフラボンの改善効果です。
参考文献
更年期以降
更年期
よくある質問
サプリメントからイソフラボンを摂取する場合の1日の上限摂取量は、食品安全委員会の評価では30mgとなっております。 …
[続きを読む]1日健やかにお過ごしになられるよう、朝食後にお召し上がりになることをお勧めしております。 一方、眠りに関して何かお…
[続きを読む]特に問題はありません。ただし、イソフラボンをサプリメントで利用する場合の上限値は30mg/日という評価が出ております…
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ホルモンバランスの乱れから 血圧が急高下して起こるめまい・耳鳴り