日本では、糖尿病が疑われる人が全国に2,210万人 (1)いると推定されており、糖尿病と診断された人の95%は「2型糖尿病」だと言われています。 Ⅱ型糖尿病の原因は、遺伝的な要因に加え、甘いもの、高カロリー、高脂肪食などの食生活や運動不足などの生活習慣により、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンがうまく作用しなくなることで起こります。インスリンの作用が弱まると、血液中のブドウ糖を上手く処理できなくなり、血糖値の高い状態が続くようになります。糖尿病の恐いところは、この高血糖の状態を放っておくと10~15年でさまざまな合併症を発症してしまうことです。 では、インスリンの作用はどうして弱まるのでしょうか?それには2つの原因があります。 1つは、すい臓の働きが弱くなり、インスリンの出る量そのものが少なくなってしまうこと、 もう1つは、肝臓や筋肉などの細胞がインスリンの作用に対して鈍感になり(インスリン抵抗性)、 インスリンがある程度分泌されていても効きにくくなるために起こるという2つです。 イソフラボンには、インスリン抵抗性を緩和する働きが確認されています。イソフラボンを摂取することで、インスリンへの感受性が高まり、その結果、インスリンの過剰な分泌が抑えられるというわけです。 ただし、野菜を多めにとったり、脂っこい食事に気をつけるなど規則正しい食生活と適度な運度が何よりも大切です。イソフラボンだけに頼っていては、期待する効果は得られませんので、イソフラボンと一緒に生活習慣も気をつけるようにしましょう。
大豆イソフラボンは脂肪細胞の分解促進や血中脂質代謝改善などの効果が報告されていますが、インスリン感受性低下の改善は未だに十分な研究が行われていません。そのため、ニチモウバイオティックス社では、ダイゼインリッチアグリコン型イソフラボンを用いて動物試験を行い、経口ブドウ糖負荷試験によりダイゼインリッチアグリコン型イソフラボンのインスリン感受性の改善効果を検討しました。
マウス(6週齢の雄C57BL/6)を用い、対照群、ダイゼインリッチアグリコン型イソフラボン(以下DRI)群とPair-fed(同量に給餌)群の3つの群に分け、対照群は高脂肪食、DRI群は0.6%DRIを含んだ高脂肪食、Pair-fed群はDRI群と同様の高脂肪食を与えた。期間は12週間で、試験終了時に経口ブドウ糖負荷試験を実施し、経時的に採血を行い、血糖値および血漿中インスリン濃度を測定した。
試験終了時の経口ブドウ糖負荷試験では、対照群と比べDRI群の90分の血糖値と0、15、30、90分の血漿中インスリン濃度は有意的に減少した。また、Pair-fed対照群に比べ、DRI群では30分のインスリン濃度も有意的に減少した。
血糖値のグラフとインスリン値のグラフを比べてみると、イソフラボンを餌に 加えたグループでは、インスリンの血中濃度が低いことがわかるね。
ということは、少ないインスリン量で血糖値をしっかりと抑えられているということね。つまりインスリン抵抗性が改善したということが言えるのね。
参考文献
イソフラボンの基本のキ
イソフラボンの安全性と上限摂取量について
イソフラボンの効果
よくある質問
イソフラボンの効果を効率的に得たい場合は、サプリメントでの利用をお勧めいたします。 大豆製品に含まれるイソフラボンは…
[続きを読む]特に問題はありません。ただし、イソフラボンをサプリメントで利用する場合の上限値は30mg/日という評価が出ております…
[続きを読む]もちろん大丈夫です。 女性の場合、更年期以降に特に注意したいのが骨粗鬆症です。 閉経後には骨密度が年2~3%も減…
[続きを読む]
イソフラボンには インスリン抵抗性を緩和する働きが期待されます。