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更年期のホルモンバランスの乱れを緩和する成分は?

更年期障害の症状を和らげ、少しでも快適に更年期を乗り切るためには、食生活や運動など生活習慣を整えていくことが大切です。ここでは、食生活にポイントを絞って、自律神経とホルモンバランスを整えるために意識して摂りたい栄養素や成分とその食材についてご紹介します。

大豆イメージ写真

自律神経にはたらく成分

自律神経とは、呼吸器や消化器、循環器のはたらきを調整する神経です。ホルモンバランスが乱れると自律神経に影響を起こし、ほてりやのぼせ、発汗などの原因になると考えられます。そこで、自律神経に働くや栄養素や成分、その食材を見てみましょう。

ビタミンB1、ビタミンB12

更年期のストレスを和らげ、自律神経の働きを維持する成分です。ビタミンB1は豚肉やレバー、うなぎ、などに多く含まれています。ビタミンB12はしじみやあさり、牡蠣など、貝類に含有量が多いです。ちなみに、ビタミンB1は、たまねぎやにんにくに多く含まれる「アリシン」と呼ばれる成分と一緒に摂ると吸収率がよくなると言われています。たまねぎを使った豚のしょうが焼きやにんにくをきかせたレバニラなどがおすすめのメニューです。

ビタミンC

ストレスへの抵抗力を高め、身体を守るはたらきのある成分です。また、更年期に感じるイライラも和らげるでしょう。レモンやみかんなどの柑橘類、ほうれん草やブロッコリーは、ビタミンCの含有量が多い食材です。ただし、水溶性のビタミンCは、一度にたくさん摂っても体内で使われない分は尿として排泄されてしまうため、毎食摂ることが理想的です。

乳酸菌・食物繊維

乳酸菌を含む発酵食品を食べることで腸内が刺激され、副交感神経が優位になるのをサポートします。みそ汁やヨーグルト、納豆や漬物、チーズなどさまざまな発酵食品を積極的に摂取しましょう。また、腸内細菌のエサになってくれる食物繊維も一緒に摂るとさらに効果的です。消化に時間がかかる食物繊維は、発酵食品と同様に副交感神経を優位にしてくれます。野菜たっぷりの具沢山みそ汁は腸にとってはとても良いメニューですね!

ホルモンバランスにはたらく栄養素

更年期になると卵巣から分泌される女性ホルモンの量は急激に減少します。更年期の症状は、女性ホルモンの減少によるホルモンバランスの乱れが大きく影響します。そこで、次にご紹介するのが、ホルモンバランスにはたらく栄養素や成分です。

イソフラボン

大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをすることで知られており、ホルモンバランスを整え、めまいやほてりといった症状を緩和する効果が期待できます。大豆製品の中でも特に味噌に含まれるイソフラボンは吸収力の高い「アグリコン型」と呼ばれるイソフラボンが他の大豆製品よりも含まれています。発酵食品は自律神経を整える働きをサポートもしてくれますので、毎日一杯のお味噌汁を習慣にしてみてはいかがでしょうか?

ビタミンE

ホルモンの分泌を整える成分です。また、血行促進作用もあるため、冷えのぼせの緩和も期待できます。アーモンドなどのナッツ類、かぼちゃやアボカドなどは、ビタミンEを摂取しやすい食材です。

亜鉛

ホルモンバランスを整える作用がある成分です。牡蠣やレバー、うなぎや豆類などの食材に多く含まれています。また、自律神経を整える働きをする栄養素としてご紹介したビタミンB12を豊富に含むあさりやしじみなどの貝類も亜鉛が豊富です。

更年期女性の心強い味方!イソフラボン

更年期の症状を和らげる栄養素と食材をご紹介しました。このうち、更年期世代の女性にぜひ味方につけて欲しいのがイソフラボンです。イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きでホルモンバランスを整えるサポートをしてくれます。植物性の女性ホルモンとも呼ばれていますが、女性ホルモンのパワーは実際の女性ホルモンと比べると1,000分の1~10,000分の1ととても穏やかなのです。そのため副作用もなく安心して長く続けられるのがイソフラボンの良いところです。

また、大豆は昔から私たち日本人にとってなじみの食材で、納豆や豆腐、味噌などに加工し健康食として常食してきました。そうした意味でも大豆から摂れるイソフラボンは私たちにとって身近で安心できる健康成分ですよね!

イソフラボンは大豆製品からの摂取で十分?

答えは残念ながら「NO」なんです。

実は、豆腐や納豆、豆乳などに含まれているイソフラボンは「グリコシド型」イソフラボンといい、そのままでは吸収されません。腸内細菌で分解され「アグリコン型」イソフラボンになってはじめて吸収されます。腸内環境には個人差があるため、グリコシド型イソフラボンで摂取したうちの約2割程度しか吸収されないといいます。一方のアグリコン型イソフラボンで摂取した場合は約8割は吸収されますので、グリコシド型イソフラボンと比較すると約3倍もの差があります。

また、吸収のスピードも異なります。グリコシド型イソフラボンは腸まで届いて分解されないと吸収されないため、摂取してから6~8時間後が吸収のピークになるのに対して、アグリコン型イソフラボンで摂取した場合は、胃かも吸収が始まるため、約2時間で吸収のピークを迎えます。このように吸収のスピードにおいてもアグリコン型のほうが約3倍優れているのですね。※1

では、大豆製品の中でアグリコン型イソフラボンが摂れるものは何でしょうか?

それは、発酵食品である「お味噌」です。納豆も発酵食品ですが、お味噌と比べるとアグリコン型イソフラボンの含有率は高くありません。

お味噌こそ、更年期女性にとってのビューティーフードといえそうです。

しっかりイソフラボンを摂るにはサプリメントがおすすめ

お味噌や他の大豆製品には、イソフラボン以外にもたくさんの栄養素が含まれていますので、更年期世代の女性にはぜひ積極的に摂っていただきたい食品ですが、更年期のつらい症状をなんとかしたい!イソフラボンをしっかり摂りたい!というときは、やはりサプリメントからの摂取がおすすめです。

イソフラボンには1日の摂取目安量があるのをご存知ですか?2006年に食品安全委員会から1日の摂取目安量として70~75㎎、そのうちサプリメントから摂取する場合は30mg、という指針が出されています。

ちなみに、更年期世代の女性が日頃の食生活から摂取しているイソフラボンの量は、国民栄養調査(平成14年)によると1日16~22mgと試算されています。大豆製品を食べる機会が減っていることもあるかもしれませんが、食品から十分なイソフラボンを摂取するのは以外と大変なのかもしれませんね。

1日の摂取目安量である70~75㎎は、健康維持のためぜひ摂取したい目標量でもあります。

特に、ホルモンバランスを整えたい!更年期を快適に過ごしたい!という女性には、イソフラボンをサプリメントから摂取することもおすすめします。

その際は、吸収力の高いアグリコン型イソフラボンが入ったサプリメントをチョイスすることがポイントになりますので、お忘れなく。

(参考)

※1:T. Izumi, et al.: Soy isoflavone aglycones are absorbed faster and in higher amounts than their glucosides in humans., J Nutr., 130(7): 1695-1699, 2000

この記事の執筆者

ニチモウバイオティックス株式会社

ニチモウバイオティックス株式会社

大豆一筋、イソフラボン研究のパイオニア。
大豆の力で、生き生きとした“健康美”を。

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よくある質問

Qなぜ、イソフラボンをサプリメントでとる必要があるのですか?
A

イソフラボンの効果を効率的に得たい場合は、サプリメントでの利用をお勧めいたします。 大豆製品に含まれるイソフラボンは…

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Q納豆や豆腐、豆乳などの大豆食品をよく食べます。イソフラボンをサプリメントから摂る必要がありますか?
A

豆腐や納豆、豆乳などの大豆食品はさまざまな栄養素を含み、とくに女性には積極的に摂ってほしい食品です。 ただ、これらの…

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Q大豆食品をよく食べます。その上でサプリメントを摂ると、イソフラボンの過剰摂取にならないか心配です。
A

大豆イソフラボンの摂取量については、食品安全委員会より「1日の総摂取量を70~75㎎、 そのうち特定保健用食品(トク…

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