更年期症状のひとつに、のぼせやほてりが起こるホットフラッシュがあります。
一方で、更年期でなくても手足は冷たいのに、顔や胸から上だけが熱くなって発汗してしまう症状があり、これを「冷えのぼせ」といいます。
ここでは、更年期症状と冷えのぼせの違いについてお話しましょう。
冷えのぼせは、特に現代女性に多い症状です。
冷えのぼせの原因は、冷え性の悪化です。顔や頭は熱をもってぼーっとしてしまうのに、手足は冷えているという感じがしたら、冷えのぼせを疑ってみたほうがよいでしょう。
手足が冷えているのに頭はぼーっと熱くなる症状のほか、冷えのぼせでは手のひらや足の裏などにじっとりと発汗したり、冷たいものを飲んだり食べたりするとトイレがやたらと近くなるようなこともあります。
気温が高くなったり運動をすると、胸から上だけがカーッと熱くなって大量の汗が出るのも、冷えのぼせの代表的な症状です。
この症状は、更年期障害のホットフラッシュにも似ています。
手足の冷えを自覚していなければ、全身が熱を帯びているのかと勘違いするほどですが、冷え性が重度になったことに早めに気づいて対策をとることが大切です。
冷えのぼせという自覚がなくても、実は冷えのぼせの人には通常の冷え性の人よりも健康面での悩みが多いといいます。
代表的な悩みが、気分的な悩みと睡眠の悩みです。
イライラしたり不安になったり、落ち込みやすいなどの悩みは、自律神経のバランスが乱れていることに起こりやすいことです。
睡眠の悩みも、寝つきが悪い・熟睡できない・途中で目が覚めてしまうなどの差はあれど、自律神経のバランスの乱れが影響しています。
通常の冷え性の人にも、睡眠の悩みは起こりがちです。
しかし、冷えのぼせの場合はさらに悪い状態になる傾向があります。
また、頭痛や肩こり、腰痛、口が渇くなどの不快な症状が冷えのぼせから引き起こされやすいのも事実です。
ニキビや吹き出物、皮脂の浮き、赤み、べたつきなど、肌トラブルが冷えのぼせから来ていることもあります。
冷えのぼせの症状は、更年期症状の1つであるのぼせやほてりの状態ともよく似ています。
更年期症状ののぼせも、冷えのぼせと同じく自律神経のバランスが乱れることが原因です。
つまり、のぼせやほてりは更年期特有の症状とは言い切れないとも考えられます。
実は、冷えのぼせは50代が最も多く、次いで20代や30代に多いことがある調査の結果としてわかったといいます。
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現代の20~30代の女性は、今50代の女性とは異なる環境で育っています。
例えばエアコンがかかっている生活に慣れていたり、体を冷やす食事を摂りがちだったりする傾向がわかりやすい例です。
エスカレーターやエレベーターが多い環境で、運動不足になっていることもあるでしょう。
肌を露出するファッションで、体を常に冷やしている人もいます。
こうした環境による冷えは、女性ホルモンの減少より自律神経のバランスを崩してしまうことで起こる更年期症状ののぼせとは違う原因で起こります。
冷えのぼせの原因は更年期症状の原因と違う部分がありますが、改善の対策としては年代問わず共通して試してみてもよい方法があります。
ポイントは3つ、日常ケア・一時ケア・首の後ろの温めです。
冷えのぼせは、全身の中で冷えている部分とほてっている部分との差があります。
一時ケアではほてりを冷やし、日常ケアでは冷えを改善する習慣をつけることが大切です。
ほてりを感じている部分は一時的に冷やして熱を逃がし、冷える部分は日常的に温めるケアで血行を良くしましょう。
半身浴は、体の芯から温めて血液の流れを改善するのに効果的です。
首の後ろの温めは、頸動脈と呼ばれる大きな血管に良い影響を与えます。
頭は20kgほどもの重さがあるといわれますが、それほど重い頭を支える筋肉があるのが首の後ろです。
ここを温めることで、効率よく全身に血液を送ることができます。
ゆっくりと温めることで交換神経の緊張がほどけ、副交感神経が優位になることから、自律神経のバランスが調整されるのもメリットです。
冷えのぼせの人が注意しておきたい体の温め方も、覚えておきましょう。
1つは、長時間の入浴です。
半身浴がいいからといって、無理してお湯に浸かっているとめまいや動悸を起こすことがあるため要注意です。
首まわりを冷やすのも、全身の冷えを招く恐れがあります。
そうはいっても、首が詰まった衣服を着ていると、のぼせたときに汗が逃げてくれないこともあるため、自分の体の状況にあわせて、つけたりはずしたりができるストールを利用するなど、少しでも快適に過ごせる工夫ができると良いですね。
冷えのぼせと更年期症状ののぼせには、違いもありながら共通する部分もあります。
いずれも、積極的に対策をおこなうことで改善可能です。
放っておくと症状がさらに悪化してしまう恐れがありますから、正しい対策を早めに始めるようにしましょう。
全身が適度にバランスよく温まり、過剰な熱は上手に逃がすことが大切です。
この記事の執筆者
大豆一筋、イソフラボン研究のパイオニア。
大豆の力で、生き生きとした“健康美”を。
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