更年期障害が気になる方におすすめしたいのが、大豆イソフラボンです。
大豆イソフラボンは、年齢とともに女性ホルモンの分泌が急激に低下することで起こるのぼせやめまい、ほてりに頭痛、イライラ、さらに骨粗しょう症など、さまざまな身体の不調の緩和に期待ができます。
そこで、更年期のタイミングでサプリメントを摂取するとき、知っておきたい大豆イソフラボンの特徴についてまとめました。
ホルモンバランスの乱れが原因で起こる諸症状を緩和すると言われる大豆イソフラボンにはグリコシド型とアグリコン型の2種類があります。
それぞれの特徴を見てみましょう。
納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品に含まれているのが「グリコシド型」と呼ばれるイソフラボンです。
イソフラボンの分子に糖がくっついているため、腸内細菌が糖を分解して、「アグリコン型」となってはじめて吸収されます。
体内に吸収されるまでにかかる時間は6時間から8時間とされます。
腸内環境には個人差があるため、グリコシド型で摂取したうち、およそ2割程度しか吸収できないようです。
味噌や醤油などの発酵食品に比較的多く含まれているのがアグリコン型のイソフラボンです。
発酵によって、イソフラボンの分子から糖が離れていることが特徴で、腸内環境に関係なく、胃や小腸で効率よく吸収されます。
その吸収スピードは、摂取後約2時間でピークを迎えるため、グリコシド型で摂取するよりも約3倍効率がよいことになります。
また、女性ホルモンのエストロゲンに似ているのもアグリコン型イソフラボンです。
そのため、サプリメントで利用するならアグリコン型イソフラボンであることをチェックしましょう。
アグリコン型イソフラボンは、実は3種類に分かれます。
それが、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインと呼ばれるものです。
この3つのイソフラボンがどのような割合で含まれているかどうかは、大豆のどの部分から抽出されているかによって変わってきます。
胚芽由来の大豆イソフラボンは、大豆由来のものと比べてダイゼインイソフラボンが豊富なのが特徴です。
胚芽由来のイソフラボンは、ダイゼインが約70%に対し、丸大豆由来のイソフラボンはダイゼインが約40%、これくらい違いがあります。
ダイゼインの特徴としては、3種類のイソフラボンの中ではエストロゲン様作用が穏やかなことです。
そのため、胚芽由来でダイゼインが豊富に含まれているイソフラボンは、体内で穏やかに効果を発揮し、副作用がなく安心して利用できるのがうれしいところです。
また、ダイゼインは腸内細菌で分解されるとエクオールと呼ばれる代謝物に変わります。エクオールとは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする代謝物で、最近注目されています。
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ダイゼインをエクオールに代謝できるかどうかは、日頃の食生活に影響を受けていると言われています。
大豆食品や腸内環境をよくするため発酵食品などを食べているかがポイントになります。
そのため、今エクオールを代謝できなくても、食生活に気をつけることによってエクオールを産生できるようになる可能性があるのです。
また、ダイゼインを多く含むアグリコン型イソフラボンを摂取する人ほど、エクオールを産生しやすくなるというデータもあります。
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ダイゼインそのものにも働きがあるため、自分の腸内でエクオールに代謝できれば、イソフラボンとエクオールの良いとこどりができるわけですね!
大豆イソフラボンのサプリメントを利用する際は、アグリコン型なのかグリコシド型なのかのチェックと、上級者は大豆のどの部分から抽出されたイソフラボンなのかもぜひ確認してみましょう。
更年期症状は、何も対処せずそのままやり過ごしてしまう女性が少なくありません。
疲れやすい、イライラしやすい、など体調の変化を感じたらぜひ早めの対策をして、健康管理をしていきましょう。
この記事の執筆者
大豆一筋、イソフラボン研究のパイオニア。
大豆の力で、生き生きとした“健康美”を。
よくある質問
イソフラボンの効果を効率的に得たい場合は、サプリメントでの利用をお勧めいたします。 大豆製品に含まれるイソフラボンは…
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